淋菌感染症
淋菌感染症(りんきんかんせんしょう)は、性感染症(STI)の一種で、「淋病」とも呼ばれます。主に性行為を通じて感染し、男性・女性ともにかかる可能性があります。感染しても自覚症状がないことも多く、知らないうちにパートナーにうつしてしまうケースもあります。早期発見・早期治療がとても大切な病気です。
【初期の症状】
女性は初期症状が出にくく、おりものの増加、軽い下腹部の違和感にとどまることもあります。そのため、気づかずに感染が進行してしまうケースも少なくありません。
尿路系に感染し、尿道炎や膀胱炎を発症すると、排尿時痛や頻尿、残尿感などがおこります。
直腸に感染すると、肛門周囲の赤みや腫れ、肛門の痒みなどが生じます。
またオーラルセックスにより咽頭(のど)に感染するケースもあり、喉の違和感を感じることがあります。
性行為のあとに違和感がある場合は、早めの受診が大切です。
ちなみに男性の場合は、感染後、数日以内に排尿時の強い痛みや、尿道から膿が出るなどの症状が現れることが多いです。
【感染の進行による症状】
感染が進行すると、女性では子宮頸管炎から骨盤内炎症性疾患(PID)へと広がり、慢性的な骨盤痛の原因になることがあります。
またこれらの疾患により不妊症となることもあります。
尿路系の感染が進行すると稀に腎炎になることもあります。
直腸へ感染が進行すると、肛門から膿が出たり排便時の痛み、出血、下痢などが生じます。
咽頭(のど)に感染しているときは、咽頭痛や扁桃腺の腫れなどが生じます。
【治療方法】
淋菌感染症の治療は、基本的に抗生物質による薬物療法が行われます。
薬物療法には内服薬と注射薬があります。
内服薬…セフィキシム・フルオロキノロンなどの経口抗菌薬を使用します。
注射薬…セフトリアキソンやスペクチノマイシンといった筋肉注射を用います。
婦人科では咽頭(のど)や肛門など婦人科領域以外の感染部位の検査・治療には対応していないことも多く、内科、耳鼻咽喉科、外科、泌尿器科などを受診しないといけないこともあります。
男性は泌尿器科を受診してください。
知らないうちにパートナーにうつしてしまうケースもありますので、気になる症状や不安がある場合や、パートナーが淋菌感染症と診断された場合は、症状がなくても、早めに受診し、早期発見・早期治療することが大事です。




