第8回〜子宮頸部異形成〜
■子宮頸部異形成(しきゅうけいぶいけいせい)とは
子宮頸部異形成とは、子宮の入口である「子宮頸部」の細胞が、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することによって、正常から異常に変化した状態のことを言います。子宮頸部にHPVが感染しても、大部分は免疫力によりHPVを排除することができ、細胞は変化しません。ですが、一部はHPVが細胞内に残存し、正常細胞を異常細胞に変化させ「子宮頸部異形成」となります。 子宮頸部異形成は「軽度異形成」→「中等度異形成」→「高度異形成」とゆっくり進行し、そのまま放置しておくと、やがては「上皮内がん」「浸潤がん」になるとされています。 あくまで子宮頸部異形成は「子宮頸がんになる可能性のある病変」であって、がんではありません。
■子宮頸部異形成の検査①細胞診 ②細胞診で異常が見られた場合は異常に応じた検査…HPV検査、生検(組織診)
■子宮頸部異形成の治療生検で異形成と診断された場合 (1)軽度異形成……3〜4ヶ月毎の細胞診を繰り返す事による経過観察 (2)中等度異形成…主に子宮頸部焼灼 (3)高等度異形成…主に子宮頚部円錐切除 軽度異形成は、自然治癒することがあり、治療は行わずに定期的に細胞診などの検査を行って経過観察するのが一般的です。しかし残念ながら、中等度異形成、高度異形成まで進行すると、自然に治ることよりも進んでいく可能性が高くなることから治療を行います。
【早期発見のため一年に一回は子宮頸がん検診を受けましょう。】