第6回〜月経困難症とは〜
生理(月経)の期間に起こるお腹や腰の痛みなど不快な症状を生理痛(月経痛)といいます。
毎月の排卵周期のなかで、2種類の女性ホルモン、すなわち卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されますが、特に黄体ホルモンは子宮の中(内膜)に作用してプロスタグランジンという痛み物質を増加させます。このプロスタグランジンが子宮を収縮させ、月経血を子宮から体外に排出させるのが生理です。その際、痛みが起こりこれを月経痛(生理痛)と言います。
これはほとんどの人に見られる症状です。
生理痛が強く、市販の鎮痛剤を服薬しても強い腹痛が取れなかったり、仕事ができない、寝込んでしまうなど日常生活に支障をきたす場合は、月経困難症といって治療の対象となります。
腹痛の他に腰痛、悪心(気持ちが悪くなる)、嘔吐、頭痛、食欲不振、いらいらや憂うつ感などがあります。
月経困難症は、①機能性(原発性)月経困難症と②器質性(続発性)月経困難症の大きく2つに分けられます。
①機能性月経困難症 初めて月経が来てから2-3年経ったころから始まることが多く、月経の1日目から2日目頃の出血量が多い時に強く症状が出ます。プロスタグランジンが過剰に産生してしまい子宮が収縮し過ぎてしまうことや月経血の子宮からの出口(子宮頸部)が狭いことなどが原因で起こります。10代-20代の若い方に多くみられ、強い痛みは1-2日程度のことがほとんどです。
②器質性月経困難症 子宮筋腫や子宮内膜症、子宮の奇形などの病気が原因となる月経困難症のことです。多くは月経の数日前から月経後まで続く場合があります。